ベトナムのスタート アップ事情をチェック!JETRO主催「NAVIGATE HANOI」に参加レポート

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2018年1月12日にハノイにあるLotte Hotel Hanoiで開催されたイベント「NAVIGATE HANOI」に参加してきました。このイベントは、JETROが主催するもので、ITや教育分野など新産業におけるベトナムスタートアップ関連動向に関するセミナーと、日本・ベトナム企業の交流会が行われました。

このイベントは、農業とは直接関係ないのですが、スタートアップ関連の情報をいろいろとゲットできたので、レポートします。

まずはジェトロハノイ事務所、所長の北川様からの挨拶がありました。

JETROでは、アジア各国でも同様のイベントを開催しており、新しい技術やアイディアなどの企業間連携を推進しています。IT分野におけるベトナムへの投資はオフショア開発が中心ですが、第四時産業革命といわれる変革期。両国において新しいビジネスが生まれると期待しています。

続いて、Training and Support Center for technology commercialization(TSC-NATEC-MOST)のMr. Nguyen Van Trucから挨拶がありました。

私達はJETROとこのイベントを共催しています。このイベントを通じて参加者が新しい機会を得られることを期待しています。エコシステムのサポート制度としては、2015年にスタートアップ支援のプロジェクトが立ち上がりました。2016年5月付で承認され、844/QD TTGの通達が出されました。企業向けに円滑なビジネス環境をつくることを目的としています。

ここから、いくつかの基調講演がありました。

Startup activities in Vietnam and Supporting Policies

TSC-NATEC-MOSTのMr. Pham Quang Vinhより、プレゼンテーションがありました。

私達の具体的な環境、支援としては、国家レベルの情報システムを構築することです。ベトナムのスタートアップに関する情報サイト(http://startup.gov.vn/)を開設しました。これまでにスタートアップ企業200社を支援しており、今後2,000案件の支援を目指しています。対象は、スタートアッププロジェクトを有する個人やグループで、経営登録ライセンス取得後5年以内。科学技術省が主導し、プロジェクトを推進しています。

Training and Support Centerは、2013年に開設されました。科学技術に関する市場研究・開発。商品化。イノベーション企業に関する支援を行なっています。技術取引をできるWebサイトが構築され、日本語を含む4ヶ国語に対応しています。2017年にStartup Dayというイベントを開催しました。

Eco-system in Vietnam

ハノイ貿易大学、Faculty of Business AdministrationのDr. LÊ THÁI PHONGより、イノベーションエコシステムについて開設がありました。

Start-up EcoSystem Canvasというものがあります。まず、アイディアからスタートし、各プレイヤーがプロジェクトに参加、ローンチし、グロースする。それぞれの段階での関係者を示したものです。ベトナムの現状をみると、政府の支援も企業間協力もあるし、エコシステムに必要な要因はほぼ揃っているように思います。キャンバスで整理して見てみても、それぞれの段階においてもサポートする機関やパートナーが揃っており最近では1billion規模の企業も出てきています。

私が務めるハノイ貿易大学では、キャンバスにおけるローンチ段階の支援をしており、FTU(Fostering Innovation and Startup )が設立されました。学生を主体にサポートを行っており、メンタリングプログラムやコンテストを実施しています。

一方でいくつかの課題もあります。一般的に、企業を新規に設立するためにはお金も、時間もかからない(30分あれば起業できる)といわれていますが、ベトナムでは最低50USD、7日間かかります。また、国営企業と民間企業という区別があり、手続き、ライセンス、時間の面で、まだまだ差があるのが現状です。

スタートアップを成功させるためには、1日14時間働けなければならないと言われていますが、ベトナムでは12時間程度というデータがあります。ベトナム人は勤勉でまじめと評価されることが多いですが、それと反するデータですね。実際、ベトナムのスタートアップにおいてはそういうレイジーさが指摘ができるのではないでしょうか。また、パートナーも十分に理解しないまま、自社がナンバーワンであると過信しすぎる傾向もあるといえます。

ベトナムのエコシステムの要素は全て揃っていると説明したが、現在、それを取りまとめるところがない、いわば一元化された窓口がない状況なので、ないのと同じような状況であるとも指摘できます。

Prospects and Challenges of business collaboration between Vietnam and Japan

ACA Investments Pte Ltdの小野 寛幸さまのプレゼンテーションがありました。

ACA Investmentsは、シンガポールに拠点をおく、独立系のファンドです。リテール(BOOKOFF、銀だこ、無印良品等)、ITメディア、ヘルスケアに多く投資をしています。ベトナムにおいては、スタートアップというより、グロース段階の成長企業向けに投資実績があります。

私自身は、約6年ベトナムで活動しています。ご存知の通り、ベトナムは年6%の成長を続ける有望なマーケットで、特に可処分所得の成長が著しい状況です。そのニーズに応えるように、モダンチェーンの進出がアジアのなかでも吐出しています。これまで生産市場として見られていましたが、売り先市場としてもターゲットになっています。Takashimayaが、香港・シンガポールに続き、ホーチミンに進出したのが印象的です。

日本人に対してベトナム人は長期的なパートナーとなることを望んでいますが、一方で細かい話が多く、なかなか前に進まないというケースがあります。日本企業ではコーポレート・ガバナンスの問題や投資家への十分説明を要するため、各種手続きにかかる時間が多いといった事情があります。

そういった状況を打開するためにも双方の歩みよりが大切だと考えます。日本企業からベトナム企業に対する対応としては、ステークホルダーを巻き込んだチームをつくること。ベトナムから日本企業へとしてコーポレート・ガバナンスの意識を持つこと。双方の歩み寄りで連携を促進できるのではないでしょうか。

投資をする際のガイドラインとして、このようなものがあります。海外展開の情報収集・ネットワークキング・事業開発・展開するなかで、最も時間を要するのが、ライトパートナーを見つけることです。この部分をファンドにアウトソースすることで、スピード感をもって事業を進められます。

ベトナムスタートアップ概要 of Digital Marketing in Vietnam

Interspace Vietnam Co., Ltd.の齋藤古那美 様からのプレゼンテーションがありました。

私は、ベトナムに住んで3年デジタルマーケティングを行っています。Interspace は、1990年に日本で設立され、2013年頃から東南アジアに進出しました。アフィリエイト「アクセストレード」を展開しており、最近では、越境ECの支援や、各企業とのパートナーシップを行なっています。

2015年に合弁会社としてベトナム事業をスタートしました。アフィリエイトは、成果報酬型の広告です。アフィリエイトを知っている方〜?(4〜5人が手をあがるくらいでした)Facebook広告などでは、いいねやインプレッションなどで課金されますが、アフィリエイトではアクションポイント(購入・予約)を成果として課金されます。アメリカで生まれた手法で、日本でも普及していますが、ベトナムでは新しい手法といわれています。

ベトナムでは、約45%の人がインターネットユーザーと言われていて、そのなかの75%の人がFacebookとGoogleを見ています。アフィリエイトは、まだ1%以下という現状です。最近では、E-commerceがかなり伸びています。数日前に、E-commerceのLeflairがシリーズAの資金調達を行ったことがニュースになりました。

Vietnam: Leflair raises $3m Series A led by Capital Management Group

E-commerce分野では、東南アジアで伸び率はベトナムが最大となっています。

Ministry of Planning and Investment

Agency for Enterprise Development,のMs. Nguyen Thi Le Quyenからプレゼンテーションがありました。

私達は、Startup clubというWebサイトを立ち上げ、スタートアップ向けの行政手続きの案内や情報提供をしています。2014年から新規企業の数が増えており、ベトナムのアントレプレナーシップが強いことが伺えます。

一方で新規企業の規模は小さく、平均10人程度の雇用と45万ドルくらいの規模、ユニコーンと言われる企業がまだない状況にあります。40の投資ファンドがベトナムで活動しているが、基本は外資系となっています。国のファンドもいくつかあるが、スタートアップ企業というよりは成長企業に対する支援がメインです。政府でもスタートアップ支援を行っていて、例えば、行政手続きの簡素化、環境改善などを行っています。

ショートプレゼンテーション

イベントの終盤は、スタートアップや事業者のショートプレゼンテーションがありました。全てを見ることはできなかったので、リストだけご紹介します。

最後に

以上、参加レポートでした。メモできた限りを、わりとそのまま記事化してるので、読みにくくてすみません..。JETROさん主催ということもあるのか、政府機関の情報が多く、思ってたよりは少々固めなイベントでした。無料で参加できるのはありがたいですが、ランチもあったことも考えると多少はお金を払いたくなりました。ハノイ貿易大学の先生のプレゼンテーションでは、スタートアップにまつわるステークホルダーが多数紹介されていたのは、有益だなと思いました。社名やキーパーソンが書かれているので、時間のあるときに調べてみたいと思います。

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TokumineAkari

1990年生まれ。大学時代に、沖縄の学生ビジネスコンテストで2年連続最優秀賞。Starup Weekend OkinawaやPOStudyなどのイベントを運営。沖縄県内のIT企業を経て、フリーランスのWEBディレクターとして独立。半年の東京滞在の後、東南アジアを巡る旅へ出発。2016年3月から徳島に移住し、有機農業を学ぶ。2016年11月からベトナム・ハナム省在住。ITと農業、2足のわらじ履いてます。